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今、世の中では、デジタル社会やグローバル化が進み、いろいろな情報が共有されて、ものごとが合理的に標準化されていく流れがあります。しかし、人の心は一様ではないし人生も一様ではありません。このような時代には、標準化されない独自性も重要なのではないでしょうか。社会が合理化される中で、独自性を持つものが、人の心を潤し、毎日を豊かにしてくれるのではないかと考えます。
食文化というのもそのひとつではないでしょうか。日本には昔からいろいろな地域ごとに独特の食文化が育まれています。その文化の中で育てられてきた毎日の食事が、ひとりひとりの人間を形成してきています。食文化というものは、人間形成やひいてはその人の人生にも関わるものではないでしょうか。
淀川食品株式会社 代表取締役社長
田村 隆
弊社では、かねてから地域の食文化を重視し、地域でのネットワークを強化していきたいと考えています。それにはいくつかメリットがあります。
弊社は、営業地域をいくつか持っています。地産地消により地域内でひとつの循環を作るだけでなく、それぞれのメニューや食材を相互に流通させることで、他の地域でも楽しんでいただくことができます。特になかなか出歩くことができない高齢者施設や病院などではもちろん、学校などにおいては食育の面でも、価値のあることではないかと考えます。
2つ目のメリットは、地産地消を強化していくことでいろいろなムダを最小限に抑えられることです。輸送距離や時間が最小限になることに加え、地域内の協力会社様とのコミュニケーションを活性化させることで量的な制御も可能になり、食品ロスや CO2 の削減などが実現します。
一方で弊社には、地域間を統括できる本部があるので、他の地域での食材やメニューの調達も可能です。さらにもう一段階コントロールしメリットを生み出せるのも弊社の強みのひとつです。
3つ目は、非常時に迅速に対応できること。例えば災害時など通信が途絶えたりする中でも、物理的な距離が近い地域内でなら状況の把握や情報の収集などが行いやすく、物資や人の迅速な調達が可能であり、また不足分は本部のコントロールにより他の地域から調達できるという動きが可能になります。地域内では、協力会社が被災する場合もありますが、いち早く救援体制をとることができます。実際、東日本や熊本の震災時には、近隣のスタッフや協力会社により速やかに食事の提供を行いました。
こういったことは、一朝一夕にできるものではなく普段からの地道な努力の積み重ねが必要です。弊社の強みはそれを実践してきたところにあり、これからもさらに積み重ねていきたいと考えています。
人と人とのつながりを大切にし、IT などのシステムを活用し、地域ネットワークが広域に一体化した「チーム淀川食品」として、新しい時代に向けた給食サービスを提供していきたいと考えています。